2月23日

 一昨日のは気の迷いだったと言われた途端音も立たずに何かが崩れ、その間に話が一気に進んだ。いま考えると話の流れがよくなかったのかもしれない。もう退去に関して話しはじめているし、私は私で正気を失って夫の家族の連絡先を消すし。気力を失ってベッドに横たわると、話はもう終わり?届を出すのはいつにする?と聞かれる。来週の平日のどこか、と適当に答える。何だこれは?夫は浴室へ向かう。泣きながら横たわっている内に衝撃が違和感に変わり、言葉が出てきたので立ち上がる。

 価値観の、大きな相違があちらこちらに横たわっていることにもう我慢したくないと言う。彼は、違和感や不快を我慢したくない人で、私は、それをとにかく変だ不快だと言いながら乗り越えていく人で、彼にとってはこの「変だ」「不快だ」がもう余計なのだろう。それはそうだよね、一人で生きていたらそんな声聞かなくて済むもの。

 なんて自分勝手なんだろう。なんで結婚したんだろう。そう尋ねると、過去を遡ることができない以上直ちに別れようとしているのだ、としか返ってこないから、もう聞かない。

 話を切り出す前に、切り出した後に、繰り返し考えた。ただの情ではなくいまでも好きであり、大切であり、一生一緒にいるならこの人がいいと思っている。さっき、浴室のドアを挟みながら、私が変わればこの先も考えられるかもしれないとこぼしていた。好き?と聞いたら好きだと言い、愛してる?と聞いたら愛してると真顔で答える。そう聞いても涙が出て止まらなかった。何もかもが変わってしまったことに。あの頃の安心感がもうなくなってしまったということに。