4月11日

 結婚式をするはずだった日。思い出すとどうしても悲しくなる。悲しくならないようにするところまで手に取るようにわかってしまう。こんな日に夫は元上司の送別会でバーベキューに駆り出されていた。そのことも忘れようと、あまり考えないようにしていたけれど、母との電話で言及せざるを得なかった。

 夫の冷たい手の感触で目を覚ます。一度8時頃に起きたけれど、ベッドに戻ってまた眠っていた。台湾へ移住した人が作ったプレイリストを聴きながらシャワーを浴びて、掃除機をかけ、洗濯機を二度回す。身支度を終えるとパン屋に並ぶ。いつになく列が長く、30分くらい待つだろうかと思いながらiPhoneの画面に目を落としていたけれど、15分が限界だった。おそらく45分待ちだった。日用品と食品を買い足し家へ。昨日のホットサラダの残りと目玉焼き、トースト、オートミール入りの豆乳ヨーグルトといちごを食べる。眠気に抗えず、まっさらになったベッドマッドに横たわる。シーツもパッドも洗濯中だった。30分のはずがその3倍眠る。夫からは「夕飯は家」の連絡。食器を洗い、外へ。

 三越で、ウエストのサイズだけが合っていなかったセットアップのパンツをリフォームに出す。LUNASOLのアイシャドウ購入は見送り。それよりもお尻を小さくする方が先。松坂屋へ移り内祝い選び。双方の伯父伯母夫婦にはマリアージュフレールの紅茶と桜のサブレを、祖母にはたねやの和菓子を。会ったことのない夫の祖父と祖母(離婚しているので別々に贈る)には、迷った末にオンラインでタオルを贈ることに決める。一つ手前の駅で降り、買いそびれた食材を調達し帰宅。夫は日焼けで真っ赤になった顔にパックをのせていた。

 たらこスパゲッティと、帆立とたこと水菜、プチトマトのサラダ。今日のたらこスパゲッティはとくにおいしかったようで、「お店に出せるレベルで全てが完璧」と言っていたけれど、母の料理はお店で食べるものよりおいしいのであまりうれしくない。食べ終えて、タオルのギフトも無事選び終えた。

 離婚できる、と思うのはこれで4日目。完全に決めてしまう前にカウンセリングへ行く。式の準備をしていた頃から、私たちの挙式当日のことをどうしてもイメージできなかった。子どもを産むことも、老後のことも。経験していないことだから無理もないと思っていたけれど、もしかすると、ない未来は尽くリアリティを持たないのかもしれない。